こんにちは、ひやむぎです。
こちらの動画のトークパートでお話しした、2024年やりたいことのひとつ。
TOTOミュージアムに行く。
新年早々トイレの話で恐縮ですが、行ってきました。ものづくりにかける信念を随所に感じられる見学でしたよ~!
トイレってミュージアムになるん…?
生活を営んでいくうえで欠かすことができない、なのにあまりにも当たり前にそこにあるため気にも留めないもの。
トイレ。
バスに僕らのようなオタクがいるように、トイレオタクなる界隈が人知れず存在しているのかもしれない。だけどそういう一部の人たち以外が「トイレミュージアム」と聞くとその多くがこう思うんじゃないでしょうか。
「トイレってミュージアムにするほどのもんか…?」
バスオタク同志のみなさん、言われたことありませんか?非バスオタの知人にバスオタをカミングアウトした時に「え、バスってそんな何個も種類あるん?」「そんなに違う?」って。
そして自分の好み、例えば僕だったら夜に撮るバスの車体の煌めきや、運転士さんの運転操作なんかについて熱く語ったら「へ、へぇ~…そうなんだね(棒読み)」と、途中から聞くの止めたやろお前!と言いたくなるような微妙な返事が来て。
おそらくここまでがテンプレだと思うんですよ。
TOTOミュージアムができたのが2015年。大学生だったひやむぎが当時付き合っていた女の子に「北九州にトイレのミュージアムがあるんだって!今度行ってみらん?」と鼻息荒めに誘われたんですが、前述の理由を添えてきっぱり蹴散らしてしまったんです。
「トイレ…?トイレはトイレやん。その辺の商業施設行ったら見れるくね?」
その後の二人の顛末はご想像に難くないと思いますが、本旨から逸れるのでここでは割愛します。ただあの頃の自分にひと言伝えるならば、「行くだけ行ってみろ、思いのほか楽しいぞ」これです。
大人の社会科見学、スタート
若かりし大学生のひやむぎを思い出しつつ、たどり着いたのは北九州市小倉北区にあるTOTO本社。その隣の建物の2階にミュージアムがあります。ちなみに1階はショールームです。
日付とTOTOロゴで写真が撮れるフォトスポットがお出迎えしてくれまして、TOTOのあゆみ、関連会社の系譜や製品などを見ることができます。
陶器を扱う会社もあることから、きれいな食器、ティーセット等が展示されていて禊のテンションが急上昇。
好みの柄の食器を見るたびに「こんなのほしい!」とはしゃいでおりました。
ただやっぱりメインとなるのはトイレ。
トイレ。
またトイレ。
噂には聞いていましたがいざ目の前で見ると不思議な迫力がありました。バイクにくっついたトイレ。しかもヘッドライトの上にちょこんとちっこいトイレも付いてまして。なんだかかわいいじゃないの。
ちなみにこれ、あくまで「トイレバイク」ということでれっきとしたバイクなんです。走るトイレなんです。TOTOの環境への取り組みを広く知ってもらうために2010年に製作されたこのバイク、家畜の排せつ物や排水などから生成されたバイオガスを燃料に、満タン時で約300kmほど走るそう。
2011年10月には小倉の本社から1,400km離れた東京都世田谷区のテクニカルセンターまでを1か月かけて縦断したというから驚きです。
まさかこの人も、トイレに座ったまま1,400km走るなんて思ってなかったやろうなぁ…。
トイレバイクで旅した道のりに思いを馳せつつ次の展示に進みます。
TOTOの発展を支えた3人
第2展示室に向かうと、まるで教科書の偉人の写真のように3人の肖像画が現れます。
森村組創始者 森村市左衛門
福沢諭吉の「一国の独立は個人の独立にかかっている。上人が国の中心にならないと国家は栄えない」という考えに共鳴し、1876年に貿易会社森村組(現:森村商事株式会社)を設立。
「人や社会に対して常に貸す側に立ち、自分が受ける以上のものを『天に貸す』という思いで働いていれば、いつかは報われる」と唱え国家のために尽力した人物。
この森村組こそがTOTOのルーツとなりました。
TOTO初代社長 大倉正親
1894年に森村組に入社し渡米、そこで抱いた衛生陶器を日本で普及させるという夢を、1914年に国産第一号腰掛式水洗便器という形で実現。1917年に東洋陶器株式会社を設立し、のちにTOTO株式会社となります。
5代目社長 江副孫右衛門
佐賀県有田町に生まれた、初代社長大倉正親から厚い信頼を置かれた人物。日本碍子株式会社(現:日本ガイシ株式会社)、日本特殊陶業株式会社の社長を歴任。「たとえ1,000個中、1個の不良であっても、不良品を購買した者にとっては100%の不良。均一性の欠けた商品は売ることができない」という技術者としての信念のもと、良品主義を貫いた。
と、なんだか頭良さげに書きましたが、解説文と解説員のお姉さんの受け売りです。実際のひやむぎはというと、初代社長の肖像画が若いころのものということもあり「なんかJKの自撮りみたいに盛れてんなぁ…snow使ったみたいにキラ目だわ」なんていらんこと言うもんだから、いつの間にか後ろに来ていた解説員のお姉さんに盛大に吹き出される始末。
その後たくさん説明を聞いてきました。経営者ではないし、これからも起業したりする予定はないからそれが活きるかは別として、偉大な経営者の残した言葉やエピソードを聞くのは好きなんですが。
この3人の展示からはTOTOの良品へのこだわりがこうして培われたんだということを感じました。この信念なくして、現代の世界に誇る日本のトイレはなかったのかもしれませんね。
これが見たかった、TOTOのキャッチコピー
CMなんかで流れるキャッチコピー。
なんのCMかはわからないもののやたらと頭に残るもの。あとで何の広告だったのかわかって「ええ!これって!」となること、ありませんか?
あんな言葉遊びを思いつくコピーライターの人ってすごいなぁって思うことがよくある元文学部のひやむぎ。大学図書館で広告コピーばっかりを集めた本を読み漁った時期もありました。
そしてそんな時期にみたCMで未だに鮮明に覚えているもの。
「なんでトイレがきれいで悲しくなる…?」という疑問から引き込まれるんですけど、悲しくなるのは人じゃなくてベン親子なんですね。ベン親子が、トイレがきれいすぎて絶望してるんです。
カタカナで書かれているから英語の教科書に出てきそうなBenを想像しますが、この場面設定を踏まえて適切に変換するとすればどう考えても「便」なわけで。
そこに感情移入させてくるとは!
ちなみに第1展示室のトイレバイクの隣にいます。ベン親子。もしよければ絶望の淵に立つ彼らにも会ってきてください。
そのほかにも、撮影禁止なので写真はありませんが「おしりだって洗ってほしい」で有名な初代ウォシュレットや、朝シャンをもっと身近なものにした洗面化粧台の当時のCMを見ることもできます。
お待たせしましたトイレ大集合!
ここまでTOTOの歴史についてが多く紹介されてきましたが、やっぱりお楽しみなのはトイレですよね。さすが同社、トイレや水回りの変遷を交えつつ紹介しています。
ちょっと渋めのスナックなんかでたまに見かける昔ながらの和式便所があって、島根にあった親戚のおじちゃんちを思い出したり…。
和式便器からどんな流れで現代の便器ができたかを時系列で追えたり…。
ホームセンターかってくらいの勢いで歴代の腰掛式水洗便器が並んでいたり。
1度の洗浄でどれだけの水を使うかがそれぞれの便器に表示されているんですが、古いものだと20Lだったそうです。
水の量だとちょっとピンとこなかったものの、愛車デミオのガソリンタンクがおよそ40Lなことを考えるとその半分…。水道代が心配になります。
それが新しいものになるとなんと経済的。なんと3.8Lしか使わないんですって、2Lのペットボトル2本用意して少し余る量ですよ。さすがはTOTOの良品主義ですよね!
このほかにもちょっと珍しい便器もあるんです。男性用小便器の歴代オールスターがあったり、陸上競技場にかつて設置されていた女性用立小便器、両国国技館にある力士用大型便器などなど…。
一番手前にあるのが力士用なんですが、座ってみたらすっぽりハマってしまいまして。
禊なんて座ったらハマるだけじゃなくって足が床につかないくらいでした。
展示の最後にあるトイレ
これだけトイレばっかり見てると、使ってみたくなるんですよ。
いや、使ってみたいというか普段から使ってるけども。
あと行きがけの運転でコーヒー飲んでたから、純粋にトイレが近くなっていたってのもありましたが。
これだけトイレを見て、実際のトイレを使わずに帰るのはなんかもったいないじゃないですか!
と思ったらものすごく絶妙なタイミングで出てくる化粧室。
設計段階で考えられてたんですかね、「最後に使って帰ってもらおう!」って。なんか、思うつぼ感…笑
入ったらなぜだかおサルの置物がありました。禊に聞いたところ女子トイレにもあったそうです。僕の後に入ってきた男の子がちょっとビビってました。
ちょっと薄暗い照明のなかで、ぼぅっと浮かび上がるように現れるサル。確かにちょっと不気味ですよね。
奥に進むと博多駅とかでよく見る形の、先がしゅってなった小便器がありました。配置は珍しいですが、男性特有の「小便器で横並びになるのがなんだか気まずい」現象を回避するにはいい配置です。
女性だとピンと来ないと思うんですが、男子トイレの小便器って一列横並びなんですよ。
だからこう…真横に来られるとすごく気まずいし、逆に行くのも気まずい。
文章に書くとものすごく情けないのと伝わりにくいんですが、僕の好きなYouTuber、夜の一人遊びさんの動画が絶妙にわかりやすく解説してくれているので、気になる方は1:30辺りをご覧ください。
話を元に戻しますと、その気まずい状況を回避してくれる素晴らしい配置だったということです。
このあと観光地とかによくある来館記念スタンプを押して帰りました。
当たり前だからこそ知ると楽しいTOTOミュージアム、ぜひ一度足を運んでみてください。今日は以上です~!(`・ω・´)ゞ
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