初めまして、禊です!
ひやむぎさんと一緒に暮らしつつ、阿呆な会話から珍妙な寝言までありとあらゆる出来事を楽しんでいます。
こんな感じでたま~にひやみそブログに登場しますので、どうぞよろしくお願いいたします。
今回はひやむぎさんは関係ありませんが、ご挨拶に代えて最近起きた珍事件をお話ししたいと思います。
BACK TO THE FUTURE ~頼む今日であれ~
これを読んでいる人は、ご近所の人の顔や名前をどれくらい知っているのだろうか。
都会であれば、隣に住んでいる人の性別も分からない人もいるという。かくいう私も、こんな記事を書いているが近所の人の名前なんて知らないし、顔すらほとんど知らないのである。
だが、私の生まれ育った故郷はとんでもない田舎で、車が通っただけでどこの誰の車か当てられてしまうのだ。おちおち悪戯も出来やしない。
そして困っているところを見て素通りなんてことはもっとできない。そんな田舎で育った田舎精神なのか、困ってそうな人を見ると、それが誰であれ手当たり次第に声をかけてしまう。
そしてこのおばあちゃんもその困っている一人だった。
スーパーの帰り道、自宅近くの路上で破けた不燃ごみの袋と中身がぶちまけられていた。
その傍には「あーあ…」と言って途方に暮れるおばあちゃん。
何があったのかは何となく想像がつくが、とりあえず声をかけてみることにした。予想通り、不燃ごみを出そうと思ったら集積所手前でごみ袋が破れてしまったそうな。
おばあちゃんに家から新しいごみ袋を持ってきてもらってごみを詰め直し、意外と重くなったごみ袋を捨てたところで、私はあることに気付いた。
今日、不燃ごみの日じゃなくね……?
私の家の近くということは、ごみ出し日は私の住んでいる地域と同じはず。単純に私の記憶違いかもしれない、頼むそうであってくれ。
おばあちゃんにそのことを確認してみると、どうやらこのおばあちゃん、日付を大幅に間違えている。
収集日を間違えているのではなく、日付そのものを、しかも大幅に間違えていた。なんだ、このおばあちゃんの周りだけ空間でも歪んでるのか。
ナンテコッタ。
集積所の前で二人並んで数秒呆然としていたが、こうして呆然としていても日付が変わることはないのである。
諦めておばあちゃんに家の場所を聞いて、ごみ袋を持ってえっちらおっちらと家まで向かう。
そのお礼に個包装の通りもんを2つほどもらってほくほく顔で帰路に着く私であった。
通りもん万歳!
藁でもしべでもない長者
いつものスーパーでレジに並んでいると、前のおばあちゃんがレジのお姉さんと財布を交互に見て何やら話している。
レジの美人なお姉さんは完全に困り顔だ。
聞き耳を立ててみると、どうやら使えると思っていたギフトカードが使えなくて現金が130円足りないらしい。
このままだとお夕飯は白米と納豆だけになってしまう。
余談だが、ひやむぎさんは一切私の手の掛かっていないご飯はあまり好きではないらしい。130円でひやむぎさんを拗ねさせずにご機嫌を維持できるなら安いものだろう。そんなことを思いながら、130円を押し付ける形でおばあちゃんに渡した。
おばあちゃんは私がお会計を終えて商品をリュックに詰め終えるまで待っててくれたようで、おばあちゃんの荷物を持って家まで送りながら、何があったのか話を聞いてみた。
どうやら少し前、娘さんが久々に帰ってきたらしく、JCBギフトカードをもらったらしい。
「色んなとこで使えるから買い物でも行ってきたら?」と言われて買い物に来たらしいのだが、多分娘さんが想像してたのはデパートとかでのショッピングの方じゃないだろうか。
というか、まずJCBギフトカードはこんなローカルなスーパーで使えるのか。
私なら使えるところを調べてみるけど、これが年代の差なのかとしみじみとした気持ちでおばあちゃんと話しながら家まで送り届けた。
帰る際に、このギフトカードはどこで使えるのかと聞かれたので調べてみると、やはり博多駅や天神などといったところになってしまうようだ。
おばあちゃんは博多駅や天神方面には行かないらしく、ニコニコしながらお礼を言って3,000円分のギフトカードを私にくれた。
正直3,000円をもらうほどのことは何もしていないが、私はおばあちゃんのくしゃっと笑った笑顔を思い出しながらスキップ気味に帰るのだった。
余談だが、おばあちゃんに「彼氏はいるの?」と聞かれて、ひやむぎさんのことをそれはそれは饒舌に喋った。
喋り続けるのは数少ない特技だ。そんな話をおばあちゃんはニコニコしながら聞いてくれたのがとても嬉しかった。
そしてスキップ気味に帰っていたら、サラリーマン風のおじさまから奇異な目で見られてちょっと恥ずかしくなったのはここだけの話である。
あなたのおうちはどこですか
この話についてはひやむぎさんが以前書いた記事で少し触れたことがある。
もし良ければこの記事を読んだ後に、そちらを読んでみてほしい。読んでください、お願いします。
いつものスーパーに行くと、お嬢さんがギャン泣きしていた。
小さいリュックを背負って、帽子をかぶって、まるで探検家のような風貌で、ギャン泣きしていた。
この年齢になって小学生などに気安く話しかけようとすると、下手したら不審者になりかねない。でも周囲に保護者らしき人影はなく、周りの人も声をかけないところを見ると知り合いもいないようだ。
よし、私がお嬢さんを救うヒーローになるんだ。大人なお姉さんを気取って声をかけてみよう。
間違っても幼女趣味の変態みたいな声のかけ方をしてはいけない。私は今は大人のお姉さんだ。
どスッピンだけど、身長低いけど、着てるのハーフパンツとTシャツだけど、今だけは大人のお姉さんだ。
『ねぇねぇ、どうしたの?』
「おねえちゃん、だれ?」
『通りすがりの綺麗なお姉さんです』
「きれいな…おねえさん…?」
見事に「綺麗な」というワードで一回首を傾げられ、「お姉さん」というワードで反対側にもう一回首を傾げられた。
お嬢さんは思ったよりも手強く、残酷であった。
だが、こんなことでめげる私ではなく、何とか事情を聞き出してみたところ、どうやらここはいつもお母さんと来るスーパーらしい。
探検に来たらいつものスーパーに辿り着いたものの、帰り道が分からないと言うのである。
この子は一体普段何を見て歩いているんだ……。
小さい子供であれば、迷ったり何かがあった時のために親の連絡先を記したものを持ったりしていないだろうか。聞いてみたら、やはり持っていた。
そこに記されていたのはお母さんの電話番号のようで、電話をかけて探検家のお嬢さんを保護したことを伝える。
迎えに来てくれるとのことだが、妊婦さんのようで歩いて迎えに来るのに少し時間がかかるらしい。季節は夏の今、妊婦さんが歩いて迎えに来るなんて相当キツいに決まっている。
そういうわけで、ひとまずスーパーのアイスコーナーを探検家のお嬢さんと物色。
ホワイトサワー味のパピコを半分こにして、お母さんに自宅までの道を教えてもらいながら手を繋いで歩いていく。パピコを吸っている探検家のお嬢さんは必死の形相。
そんな必死になって吸わんでも。
最後の一滴すら残さんと言わんばかりに必死になってパピコを吸っているお嬢さんが気付かぬうちにお家に到着。
インターフォンを押したらお母さんが出てきて私にお礼を言った後、家に着いても必死にパピコを吸っているお嬢さんに呆れかえりながら一言。
「普段行くスーパーやん。普段あんたどこ見て歩いとーと」
私も同じこと思った。
どんなに必死に吸ってももうパピコが出てこないことを悟ったのか、家に着いたことに気付いて私にお礼を告げるお嬢さん。気づくのおっそ。
私がお嬢さんとお話していると、お母さんがポリ袋を持って戻ってくる。どうやら東京のお菓子らしく、知り合いからもらったのだそうだ。
娘を送りとどけてくれた上にアイスまで買ってくれたが、こんなものしかないと言っていた。
だが、私は食い意地の張った可愛らしい探検家のお嬢さんと、旦那さんが羨ましくなる綺麗なお母さんとお話ができただけで大満足なのである。
そんな経緯でもらったのが、ひやむぎさんが記事を書いた高級なジャガビーだった。
おじさんからの愛の告白
いつものスーパーの目の前にはコンビニがある。そこで一服をしていた時、知らないおじさんから声をかけられた。
「こんなおじさんだけど付き合ってもらえませんか?」
……うん?
そんな中学生が好きな女の子に初めて告白しますみたいな感じで言われてもちょっと脳内処理が追いつかない。
私の脳内CPUは10年落ちなんだ。
「彼氏いるのは知ってます!たまに夜コンビニとかスーパーに一緒に来てたりしますよね!?」
知っとるんかい。じゃあ告白の結果は何となく目に見えているんじゃないだろうか……。
『すみません……』
「そうですよね……。こんなおじさんじゃだめですよね……」
いや、違う。違うんだ、そういうことじゃない。
え、逆に自分のことを認識してない倍以上年齢の違う女の子に告白して、断られる要素は年齢以外にないと思ってるの?えぇー、怖い怖い怖い!!
「じゃあ彼氏さんと別れたら付き合ってくれますか!?」
『いや、別れないしまず無理です』
しょぼんとしていたのが一転、明るい笑顔でそんなことを言ってくるおじさん。
まず私とひやむぎさんが別れる前提で私に答えを迫るんじゃない。それにそういう話でもないし。
「じゃあ気が向いたら教えてください!」
気が向くこともないと思うんですけどね。それに教えてくださいとか言われても連絡先知らんぞ。いや、別に知りたくもないけど。
「たまにドットで描かれたマリオのTシャツ着て歩いてますよね!あれすごくかわいいです!」
ごめん、それひやむぎさんのTシャツや。
なんだろう。中身が中学生のまま大人になってしまったみたいな感じがする…。買い物もまだだし、早いところ帰ろう。
そう思って煙草を消すと、私がこの場を離れようとしてくれているのを察したらしく、「では、また!」と言ってぶんぶんと手を振って車に乗り込んでいく。
オチも何もない話だが、タイトル通りこれが一番の珍騒動だった。
あのおじさんにはあれ以来会っていないが、私が気付いていないだけで私を見かけたりしているのだろうかと思うとちょっとゾッとするところがある。
今では自宅近くで後ろに誰か着いてきていないか確認する癖がついてしまった。
以上が、福岡に住み始めて1年3ヶ月の私が経験した珍騒動である。
たかが1年3ヶ月で色んなことが起こりすぎではないだろうか。
しかも、これだけのことがあって誰一人として名前も知らない。
「良いことをしたら必ず後になって返ってくる。だから優しい人になりなさい」
亡き父が私に教えてくれたことだった。
実際は何も返ってこないどころか、それに対してケチをつけられたりすることも少なくはない。現実はそんなものだろうとも思う。
ただ少なくとも、その中にこうして自分が感じた恩をそれ以上の形で返してくれる人がいるのもまた事実だ。
そしてこれを読んで、誰かが笑ってくれたら良いと思う。
少なくともひやむぎさんは、これらの話を聞いて結構笑っていたし。
そして亡き父へ。
父には大変申し訳ないことに、残念ながらあなたの娘は性格の良い人にも優しい人にも育ちませんでした。
こんな風に面白可笑しくブログに書き上げてしまうほどの阿呆に育ちましたことをここにお詫び申し上げます。
今日は以上です!
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